セルローズファイバーを火であぶると
表面はこげますがすぐに鎮火します
木質繊維や、発泡スチロールの弱点は、火に弱い点です。
容器等であれば、発泡スチロールのような固形素材は適していますが、断熱材となると、燃えやすいという点は欠点となります。
木質繊維は、木である以上燃えやすい素材ですが、ホウ酸という燃えにくい素材と混ぜ合わせることで、木繊維でありながら、燃えにくく、空気泡も損なわれない材質に生まれ変わりました。
実際にセルローズファイバーをガスバーナーであぶっても、写真のように表面しか焦げ付かず、燃え上がることはありません。
防音には、音を遮断する「遮音」と、音を吸収する「吸音」の方法がございます。
前者は、質量のあるもので空間を囲うことで、空気の振動を強制的に止める方法です。
例えば、厚いコンクリートで覆われた部屋などは「遮音性」が高いです。
それに対し、柔らかい素材で「連続気泡」と呼ばれる空気泡同士がつながっているものは、振動を吸収する作用があり、セルローズファイバーは「吸音」という方法で防音します。
セルローズファイバーは、木質繊維で空気泡が「連続気泡」となっており、吸音性に優れています。
元々木には、湿度が高いと湿気を吸い込み、乾燥していると湿気を放出する性質があります。 また、空気泡同士がつながっている「連続気泡」は台所のスポンジのように、通気性、吸水性が高い性質があります。
そのため木質繊維と連続気泡の性質を併せ持つセルローズファイバーは、雨期には、お部屋の湿気を吸い取り、冬場など乾燥する季節には湿気を外へ逃がすため、結露になりにくく、住宅を長持ちさせる作用があります。
セルローズファイバーは、耐火性を高めるためにホウ酸を使用していますが、ホウ酸は殺虫剤等にも使用される材料でもあることから、虫が寄り付きにくく、殺菌性も高いことからカビにもなりにくい性質をもちます。
身近で断熱効果が非常に高い素材として、発泡スチロールがあります。
カップラーメン容器や、生鮮食品の冷凍保存用ケースなど、保温性が優れた素材として活用されています。
発泡スチロールが保温性に優れているのは、素材の隙間に空気泡があるためです。
空気は一見熱を外に逃がすイメージがありますが、それは空気が流動するためであり、空気が流動しない状態の場合は、放熱されにくい性質をもちます。
例えば、セーターなども繊維の隙間に空気泡が出来るため、体温の放熱がされにくくなることにより暖かいのです。
セルローズファイバーの原料は、天然の木質繊維であり、一本一本の繊維に元々空気泡があり、それが絡み合うことで、通常の断熱材よりも空気泡が多く含まれています。 お部屋を空気泡で覆うから、室温が放熱されにくくなるのです。